ハルチカ

アニメ「ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜」




あらすじ(ネタバレなし)

高校入学を機に清楚で乙女な女子を目指そうと、フルートを始めた穂村千夏(ほむらちか)。千夏は幼なじみの上条春太(かみじょうはるた)と9年ぶりに再会し、ふたり共廃部寸前の弱小吹奏楽部に入部。そしてふたりは吹奏楽部の顧問である草壁信二郎(くさかべしんじろう)を取り合うことになる。恋のライバルが男であることに困惑する千夏。彼女は吹奏楽部のメンバー集めに奔走し、吹奏楽の甲子園である大会・普門館出場を目指す。

感想(ネタバレなし)

どう見ても吹奏楽に打ち込む高校生なあらすじなのに、完全にミステリーアニメ。

「響け!ユーフォニアム」という超ガチ系吹奏楽アニメを見てしまった今、果たして普通の吹奏楽モノを見られるだろうかと不安を感じながら見始めましたが、それは杞憂というものでした。全然吹奏楽まっしぐらではなかったからです。
1話完結のちょっとホロリとくるいい話系ミステリーという感じでした。「青春、吹奏楽、ミステリー」とうい三本立てのような売り込みでしたが、ほぼミステリーでした。要素がいろいろ分散してしまって、ちょっともったいない感じがしました。

ミステリーの内容もサラッとしすぎて軽いうえに、謎解きがちょっと強引だったように感じます。とか言っていますが、成島美代子(なるしまみよこ)のエピソードで号泣してから、すっかりハルチカにハマってしまった感はあります。詳しくは後ほどネタバレありの感想で。

その号泣エピソード以降はそれほど心に響くストーリーはなく、やや良い話が続いたという印象です。謎解きはほとんど春太がやってしまい、千夏ちゃんがいらない子状態になってしまっているのもチョイチョイ気になっていました。なお、私が最後までハルチカを見続けたのは、千夏ちゃんのキャラが好きだったからです。ストーリーとしては完全にいらない子状態だったのに、千夏ちゃんのアホさを見るためにアニメを見続けたというなんともパラドックス状態でした。

私はデコボココンビと言われるものが好きです。リーサル・ウェポンとか大好きでした(メル・ギブソンとダニー・グローヴァーのコンビ)。
推理が得意で華麗に謎を解いていく春太と、アホなことばっかり言って何の役にも立たない千夏ちゃんのコンビには、とっても楽しませてもらいました。いい話とかいらないから、ふたりの漫才を見てるだけでいいやとさえ思いました。でもこのふたり、本当に芯のところでは絶妙なコンビネーションを見せたりします。このあたりのギャップも非常に魅力的でした。

話は変わりますが、私は「ハルチカ」のオープニング曲が大好きです。fhánaの「虹を編めたら」です。
「天体のメソッド」のEDや「僕らはみんな河合荘」のOPなんかで、最近気になっているアーティストです。コンプレッサーをこれでもかって効かせたようなボーカルが、非常に伸びやかで心地よいです。

全体的にはテーマがバラけすぎてて掴みどころがないような印象がありましたが、ハルタとチカのコンビは楽しめたと思います。

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこのアニメを見ていない方はご注意ください。


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正直なことを言うと、ストーリーはあんまり印象に残っていません。ミステリーとしては中途半端だし、心への染み加減も中途半端です。唯一心に響いたのは、第2話の成島美代子のエピソードです。もしこれが第2話でなかったら、途中で見るのをやめてしまっていたかもしれないというくらい、ハルチカの感想を述べる上では大事なエピソードです。

成島には、かつて病気の弟がいました。弟はパズルが大好きで、死ぬ前に姉へパズルを残しました。完成形もわからない6面真っ白なルービックキューブです。
成島はこれを弟の恨みだと解釈しました。絶対に解けないパズルを残して姉を苦しめてやろうと言う呪いだと。しかしそれは間違いでした。
晴太は成島が大切にしていたそのルービックキューブに塗料を塗ってしまいます。成島は暴れますが、それを押さえつけて塗料を塗っていきます。するとルービックキューブの表面に貼ってあったものが剥がれ落ちていき、その下から出てきたのは「正解だよお姉ちゃん」の文字でした。

これは弟からのプレゼントだったのです。弟の死を引きずってしまうだろうと思い、姉に残したプレゼントだったのです。前へ進むには過去に囚われていてはいけない。そのためには時には何かを壊さなければならない。弟からのメッセージを受け取った成島は、ずっと吹かなかったオーボエを再び吹くようになります。

このエピソードは、それはもうワンワン泣いたものです。もうここが山場だったんじゃないかと、今となっては思います。
こんな感じで謎を解きながら部員集めをしていくという感じで、ラストだけ真面目に吹奏楽をします。

「吹奏楽要素なさすぎだろ。」と思いながらずっと見ていたのですが、最終話だけすごく良い演奏をしちゃってました。吹奏楽要素はここしかないのに、「おお!」ってなるような良い演奏です。あの演奏で結果が銅賞とか絶対にない。制作スタッフは最終話の音楽に気合いを入れすぎです。ストーリーとの整合性がなくなっちゃうじゃないですか。ここでこんないい音楽ぶっ込んでくるなんて罪深いです。

最終話の春太と千夏ちゃんも、爽やかで良かったです。普段はお互いに憎まれ口を言い合っているのに、心の底ではちゃんとお互いのことを大切に思っているんだなというのが伝わってきました。
落ち込んでいるみんなに向かって、ムードメーカーとしての役割を果たす千夏ちゃん。でも千夏ちゃんが本当は凄く悔しい思いをしているのを汲んで、春太は千夏ちゃんに優しい言葉をかけます。
「謎を解いたのは僕だけど、みんなの心を解いたのは千夏ちゃんじゃないか。」というセリフが良いセリフすぎて素晴らしすぎました。

散々千夏ちゃんがいらない子だと書いてきましたが、千夏ちゃんには人を集めるようなパワーがあったように見えました。全体的に吹奏楽要素が少なかったので、その千夏ちゃんパワーが描かれることが少なかったから、千夏ちゃんがいらない子に見えただけです、きっと。実は凄く大事な役回りだったんですよ、きっと。

しかし、第1期の最後は中途半端なところで終わってしまいましたね。東海大会で銅賞という結果が出て、草壁先生も吹奏楽部に残ることが決まって一段落な感じもしましたが、草壁先生が墓参りに行っていた人のことは全く謎で終わってしまいました。なんだか重要なことである気がするんですが、それは続きに期待しろということでしょうか。

最後に全然関係ないことをひとつだけ。
千夏ちゃんの目がカラフルすぎて怖いです!!

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ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛する一般人。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない濫読派。
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