あらすじ(ネタバレなし)
「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(第1期)」の最終話から2年後の世界。ロシアのウラジオストクに住む少女・蘇芳・パブリチェンコ(すおう・パブリチェンコ)は、父親と契約者(超能力を持つ者)である双子の弟・紫苑・パブリチェンコ(しおん・パブリチェンコ)と共に暮らしていた。ある日、仲良しのクラスメートであるターニャが突然契約者になり、蘇芳は事件に巻き込まれていく。逃走の中で黒(ヘイ)と出会い、自らも契約者となっていく。
(アニメ「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(第1期)」の感想はこちら)
感想(ネタバレなし)
第1期のハードボイルド路線とは打って変わって、花澤香菜劇場でした。
第1期は2話完結のショートストーリーの寄せ集めでしたが、第2期は一本のストーリーになっています。ほろ苦い感じのストーリーはやや影を潜めますが、それでもあの胸がチクチクするような寂しさは健在でした。世界観や状況の説明が親切になっていて、わかりやすくなっていました。納得のいかないところはいくつかありますが。
さて、第2期では我らが銀(イン)ちゃんがきっと活躍すると踏んでいましたが、全然活躍しません!ほとんど登場すらしません!!話の軸には出てくるのに、お姿が全然見えない!なんという拷問!!
代わりと言ってはなんですが、円盤には第1期と第2期の間の空白の2年間を描いた「DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 外伝」が収録されていて、こちらには素敵な衣装を着た着せ替え銀ちゃんが堪能できます。
ニーソ銀ちゃんも捨てがたいが、やはり麦わら帽子ワンピース銀ちゃんが最高か・・・。
というような感想を書いてはいますが、ストーリー自体は真面目で、本編であまり語られなかった部分の説明も補足されていて良かったです。銀ちゃんの魅力も満載ですし、一石二鳥ってやつです。
話はことごとく脱線しましたが、本編のストーリーの方には少し無理があったように感じました。途中で意外な事実が発覚して、ストーリーにどんでん返しがあったりするのですが、「ストーリーのどんでん返し」を目的にしてしまっていて、それぞれのキャラクターの行動原理にブレが出てしまっていたように感じました。ストーリーのためにキャラクターが動いていたと感じました。これは非常に良くないことです。
とはいえ、その「どんでん返し」のおかげで、緊迫感を持ってストーリーを楽しめたりはしました。多くの組織がそれぞれの思惑を持って行動していて、いろいろと絡み合っていて面白かったです。
組織といえば、第1期では全く説明のされなかった「組織」のことですが、結局全然説明されませんでした。「外伝」の方で僅かに説明がありましたが、後付けのようなおざなりな説明でした。
契約者やドールの設定も結局曖昧なままで、「契約者は合理的な判断しかしない」という割りには、感情的な判断を下す契約者がたくさん登場します。どっちやねん。
というように、ツッコミどころは結構あるのですが、続きが気になるようなストーリー構成で、最後までワクワクと見てしまいました。花澤香菜の声のボクっ娘の小さい女の子が、対戦車ライフルをぶっ放すビジュアルなんかは最高にかっこ良かったです。
感想(ネタバレあり)
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もっと銀ちゃんを登場させてください!!!
今回も最後は結局銀ちゃんなわけなのですが、それにしても途中全く登場しないじゃないですか!おこです!
ちなみに、私は銀ちゃんの目的が何だったのか全く理解していません(ちゃんと見てたのに。)
銀ちゃんが分裂していたのは理解しています。黒のことを想う銀ちゃんと、世界に災厄をもたらすと言われるイザナミと。
イザナミは契約者を自殺させたり、肉体から魂を抜き出したりしたり。最後には、紫苑が創りだした地球のコピーにその魂を送り込み、「送り込まれた人たちの魂は新しい地球で幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。」となるわけなのですが、「なんだそれは・・・。」という感想しか出てきません。
イザナミとは一体何だったのか・・・。紫苑はなぜ命を賭してまで地球のコピーを作ったのか、なぜ蘇枋という自分自身のコピーを作ったのか・・・・。合理的な判断とは一体・・・。
蘇枋が紫苑のコピーだったという事実には正直驚きました。それがわかってから蘇枋に対して強く感情移入しましたし、蘇枋が何を思って行動していくのかに強く興味を惹かれました。「ファイナルファンタジー9」のテーマに近く、自分のアイデンティティーを問う素晴らしいテーマだと思うのですが、「そもそも」の部分が曖昧だったのが残念でした。
感想を書いてたら、なんだかどんどんモヤモヤしてきました。紫苑とパブリチェンコ博士は、もっと情報を開示してたら無駄な争いを回避できたんじゃないか?「新しい地球で幸せな暮らしができるよ!みんなおいで!」って。
でも、それを知っていたら、紫苑は新しい地球へは行かなかっただろうなと思います。偽りの幸せよりも、辛くても本物を選ぶような女の子だったように思います。辛かったことも大切な思い出として、その記憶が消えてしまうことにあれ程苦しんだ紫苑ですから。あんなところに連れて行かれて、ありがた迷惑もいいところ。そのうち「ここは本物の世界じゃない!」っていうことに気がついて、映画「マトリックス」のようにレジスタンスになってしまうんじゃないかと心配です。
ここまで銀ちゃんと紫苑ちゃんのことを散々書いてきましたが、今回私が一番好きだったキャラクターは三号機関の葉月水無(はづきみな)です。
黒髪ロング、黒スーツ、日本刀。クール過ぎる。しかも(能力使った対価として)チューをする。対価じゃなくても(女の子に)チューをする。クールに激しく。かっこいい。かっこいい。かっこいい。(3回言った)
しかし葉月ちゃんに関してはほとんど掘り下げられることはなく、家とか両親とかに確執があるということを少し匂わせただけで終わります。もっとしっかり描いてください。ほら!こんなにかっこいいんだから!!
次は葉月ちゃんが活躍する話を書くべきですよ!(絶対に無い)
テーマとしてもストーリーとしても面白かったのですが、全体的に消化不良です。1クールでは短すぎたという感じではなくて、作りそのものが甘すぎたという感じです。もっとキャラの感情を大切にして、時間をかけて構成していくべきだったと思います。これでストーリーもクソだったらあっさりと諦められるのですが、「もうちょっと頑張ればすごく良い作品だった。」と思ったので、残念感がより一層強かったです。
あと、葉月ちゃんがメインの回が1話あると良かったと思います。(わがまま)