櫻子さんの足下には死体が埋まっている

アニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」




あらすじ(ネタバレなし)

高校生の館脇正太郎(たてわきしょうたろう)は、良家のお嬢様・九条櫻子(くじょうさくらこ)と知り合う。骨の標本士として働く櫻子は、あまり周囲と関係を持たず、骨のことばかり考えていたが、正太郎とは交流を持っていく。ふたりは人の死に関わる事件に遭遇していき、櫻子の骨に関する専門知識と、鋭い洞察力をもって事件を次々に解決していく。

感想(ネタバレなし)

「骨に関する事件を、骨の専門知識を使って解決していく」というアプローチに惹かれて見た作品です。

骨に関係ない部分もたくさん出てきて、少し肩透かしな感じも受けましたが、随所に出てくるマニアックな骨の話はとても興味深かったです。
「骨」というと「死」を連想しますし、こんな不吉なタイトルで大丈夫なのだろうかと心配にもなりますが、正太郎と櫻子さんの絶妙なコンビネーションによって、そんな不吉さも程よく中和されていて見やすかったです。
そう、これは正太郎と櫻子さんのラブストーリーである。少なくとも、私はそう思って見ていました。
骨に関する事件というところに惹かれて見始めたのに、いつの間にかふたりのラブストーリーを楽しみに見るようになっていきました。

この感覚、何かに似ているなと思ったら、「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズですね。
「本に関する事件」が「骨に関する事件」にすり替わった感じがしました。「本」と「骨」って音が似てますし、ヒロインの名前の「栞子」と「櫻子」で似てますし。女の子が年上なところとかも。
櫻子さんと正太郎の方が年が離れてましたね。正太郎はまだ子供って感じですし。

櫻子さんと正太郎の年の差コンビネーションは絶妙で、普段はしっかりとお姉さんっぽい櫻子さんが、骨が絡んだ途端に子供のようになり、それを正太郎がたしなめような、年上年下逆転現象が楽しかったです。
骨を見た途端にパアッと子供の顔になって、キャッキャしちゃう櫻子さんかわいいですし。

この櫻子さんの役を演じたのは、伊藤静です。落ち着いた雰囲気の演技が良かったです。すっかり「ハヤテのごとく!」のヒナギクさんのイメージだったので、とっても落ち着きました。
伊藤静は「ヨルムンガンド」のココ・ヘクマティアルもやっていましたし、ツンデレ少女も落ち着いたお姉さんも自由自在ですね。

ストーリーで気になった点は2点。
まずは、正太郎が骨を見て怖がりすぎなんじゃないかと思いました。骨ってそんなに忌み嫌われるものでしたっけ?確かに櫻子さんのように骨を愛でている人がいたらドン引きかもしれませんが、骨そのものはそれ程怖がる対象になるのかなと思いました。
ここに関しては、どちらかというと「変人」として描かれていた櫻子さんの方に共感できたので、ちょっと正太郎の気持ちについていけませんでした。

もう1点は、ラスボスみたいなのが出てきたこと。この人物が出てきたことで、急に話が陳腐になった感がありました。「最後はこのラスボスを倒しておしまいか。」っていう残念感がありました。

とはいえ、主軸をラブストーリーと捉えて見られるようになってからは、楽しく見ることができました。事件を通してお互いを知っていく過程を、ワクワクドキドキしながら見ることができました。

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこのアニメを見ていない方はご注意ください。


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「ご近所さんに事件が多くないですかね!」っていうのは、まあシリーズ系のミステリーものなので仕方のないところ。事件を通してキャラクターたちの相関図がどんどん広がっていったので、正直なところ追いつけませんでした。
同級生の鴻上百合子(こうがみゆりこ)と、母親が殺されてしまって、ひとり彷徨っていた子供の富永ゆうか(いいちゃん)が知り合いだったとか、殺人事件が身近で起こることすら滅多にないのに、その事件に関する人間が知り合いだったなんて。ご近所で起こった事件なのでそういうこともあるのかもしれませんが、ちょっと偶然が多すぎな気がしました。

それはさておき、この百合子もなかなか良いキャラでした。百合子はだんだんと正太郎を意識し始めるのですが、いつも一緒にいる櫻子さんが気になって気になって仕方がない様子。ですが、櫻子さんのことも大好きだったりして、なかなか複雑な心境のようです。
アニメ中ではそれほどしっかりは描かれなかったのですが、百合子の気持ちがグラグラ揺れている感じが、思春期っぽくて好きでした。微妙でありながらも、強い感情を持っているキャラクターには、すごく魅力を感じます。

私が一番好きだった事件は、「託された骨」のエピソードです。
正太郎の学校で以前教師をしていた、佐々木という人物にスポットを当てたお話です。その佐々木先生と、佐々木先生の姉と、その家に世話係として来ていた夏子の間に起こった悲しいお話です。
佐々木先生は夏子に想いを寄せていたが、夏子は未婚のまま子供ができてしまい、その子を産んで、その後埋めます。しかしその子供は、実は佐々木先生の姉の子供で、夏子が佐々木先生の姉を庇うために、「自分の子だ。」としたものでした。そこから生まれた勘違いなどが災いして、佐々木先生は夏子を想いながらも添い遂げることはなかった。3人がそれぞれ相手のことを想い、後悔し、一生引きずってしまうという悲しいお話です。
このエピソードは、強い想いが込められた、暖かいお話でした。

実は、他にそれほど印象的だった事件はありません。私が事件そのものよりも、ふたりの恋心を中心に見ていたからだと思います。
正太郎の櫻子さんに対しての感情は、「憧れのお姉さん」の域から「恋」へと向かう微妙な感情です。序盤の方では「憧れのお姉さん」でしたが、最終話の感じでは「恋」に変わっているように見えました。「僕を守ってください。」なんて言っちゃうところが、まだ「憧れのお姉さん」から脱し切っていない感じがしますが。この、微妙でありながら強い感情は、すごく好感が持てました。(←また言った。)

櫻子さんの正太郎に対する感情は、これまた微妙でした。櫻子さんは、骨に対する興味以外はあまり感情を表さないキャラクターなので、なおさら難しかったです。
正太郎のことは大切に思っているようです。正太郎に危険が及ぶかもしれないと思ってから、正太郎に会わないようにしたり、あれほど骨好きなのに、「君の骨など見たくない!」って言ったりしていたので、かなり大切に思っているのがうかがえました。
ですが、それは「恋心」というよりは、「弟想い」な感情に見えました。

なんせ、櫻子さんの弟の影がチラチラ見え隠れしていながら、ほとんど説明されなかったので、なんとも想像が広がりません。この弟の身に起こった事件が、櫻子さんの正太郎を大切に思う感情の発端になっているようなので、それが明かされないことには正常な判断ができませんでした。
ここは第2期に期待しろよってことなのだとは思いますが、こういう中途半端な所で話をバッサリ切られると困ってしまいます。ラブストーリーを主軸に見てきた私にとっては、ここはキーとなるポイントなので、宙ぶらりんのまま放置された辛さが骨身に堪えます(骨だけに)。

とはいえ、この先のふたりの成り行きが気になってしかたありません。早く第2期を!早く!

第1期の終盤は、ラスボスである花房という人物が糸を引いいているのが明らかになっていきます。したがって、第2期は恐らく、「花房VS櫻子さん正太郎コンビ」がメインになってくるのでしょう。こういうことを言って、いつもみんなに怒られてしまうのですが、正直私は花房にほとんど興味がありません。対決構造をわかりやすくして、陳腐な話になってしまわないか、不安で不安で仕方がありません。
もっと櫻子さんと正太郎の関係をメインに!是非!
特に、謎の多い櫻子さん側のエピソードをもっと明らかにしてほしいものです。

事件としては、百合子のおばあちゃんが、百合子のおじいちゃんのことを想って山を登って足を滑らせて亡くなってしまったお話のような、そういう優しいほのぼの系の事件の方が好きでした。いや、人が死んでるから、ほのぼのではないか。でも、事件の裏にある優しさとか、強い想いとか、そういうものの存在が物語全体を彩っているように感じていたので、そういう意味でのほのぼのです。
終盤の、仲良しだった3人組が壊れていってしまうようなエピソードは、ギリギリ大丈夫です。これに花房が絡んでいなかったら、もっと衝撃的な話になっていたように思えます。死を望んだ親友と、やむを得ずとはいえそれに手を貸した親友と、その場から逃げてしまった親友と。暗い話ではありますが、これを3人の物語として完結していたら、人の心の奥の暗い感情を描いた良いエピソードになっていたでしょう。
しかし、この発端を花房という黒幕のせいにしたことで、あっという間に陳腐な話になってしましました。なんもかんも花房のせいだ。奴さえ倒せばみんな幸せハッピーエンド。

ここまで書いてきて、「自分どれだけ花房が嫌いなんだよ!」って思いましたが、どうやらものすごく嫌いなようです。この人物の絡み方で、物語全体が駄作にもなりえるし、逆に良い意味で期待を裏切って良作にもなりえると思います。
大嫌いな花房ですが、どうやら作品を左右する重要キャラクターとなりそうです。不本意です。

あ、でも、花房を演じている子安武人は好きですよ!クレイジーな悪役を演じたら最強だと思ってます。クレイジー花房をこっそり期待しています!

全然関係ありませんが、今期は月曜日にゆるゆりの櫻子で、水曜日に櫻子さんの足下には死体が埋まっているの櫻子さんで、櫻子づくしだった気がします。ありがとうございました!

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ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛する一般人。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない濫読派。
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