あらすじ(ネタバレなし)
突如東京に現れた「ヘルズ・ゲート」。その時から本物の星空は失われ、夜空は偽りの星々で満たされた。時を同じくして「契約者」と呼ばれる超能力者たちが現れる。とある「組織」の一員として働く契約者の青年・黒(ヘイ)は、自らを中国からの留学生・李舜生(リ・シェンシュン)と名乗り、日常の生活を送りながら組織の仕事をこなしていく。
感想(ネタバレなし)
2話完結のほろ苦いストーリー。
世界観や設定にかなり大きなものを感じるのですが、その説明はほとんどされず、黒(ヘイ)とその仲間たちが関わる組織の仕事のストーリーが2話完結で語られていきます。どのストーリーも「爽やか」という言葉とは無縁で、心に小骨がチクチクと刺さるような切ないお話でした。「ハッピーエンドでみんなハッピーだね!」というお話が好きな人には到底おすすめできない!恐らく毎話絶望することになると思います。
世界設定は、お話が進んで行くうちにチラホラと説明されていきます。最初に解説されるのは、東京のど真ん中に人が入れない領域があることと、星空が本物の星空ではなく、契約者が死ぬと星が1つ流れるということ、それに、契約者が使える超能力は1人につき1つで、能力を使うとその対価を支払わなくてならないということくらいです。
世界観や設定に関してはとにかくわかりづらく(ただの情報開示不足)、最後まで見てもよくわからない部分もありました。物語のメインテーマはキャラクターたちのつながりや心情にありますので、設定がわかりづらいことには私はそれ程不満はありませんでした。
それよりも、「契約者には心が無い」や「契約者は合理的な判断しかしない」という言葉が使われているわりに、契約者がしっかりと人間臭いという部分の方が気になりました。「いや、しっかりと人間的な感情で行動してるじゃん。」って。別に「契約者には心が無い」っていう設定要らなかったんじゃないかと思います。
私が「DARKER THAN BLACKを見よう!」と思ったきっかけは2つあります。1つ目はオープニング曲です。「abingdon boys school」の「HOWLING」という曲なんですが、最初に聞いた時に「かっこいい」と思いました。「いつ流れるかなー。」と思って見始めると、第1期の1クール目のオープニング曲だったようで、始めから聞けて「おお!やった!」ってなりました。
のですが、2クール目のオープニング曲が嫌いすぎて吐きそうでした。流れるたびにウンザリするので、本当に嫌で嫌で仕方がありませんでした。1クール目のOPが最高で2クール目のOPが最低なのは、「東京レイヴンズ」だけで十分だと思っていたのに!!
見ようと思ったきっかけの2つ目は、銀(イン)という女の子のキャラクターです。「わあ!なんかflowerちゃん(ボーカロイド)が出てる!」って。
1枚目が銀ちゃんで、2枚めがflowerちゃん。銀ちゃんに大変期待したのですが、前半はほとんど登場しないうえに喋らない!!とにかく喋らない!本当にヤキモキしました。でも、安心してください。後半は活躍しますし、(少し)喋ります。喋らなくてもかわいい!
基本的には2話完結ですが、全体のストーリーはつながっていますし、ラストはこれまでのお話のクライマックスになっていますので、ちゃんとした1本の物語になっています。ずっと単発のお話だったら嫌だなと思っていたのですが、そういうことはなかったので良かったです。「超能力バトル」という私が最も嫌いなジャンルの内の1つではあったのですが、わかりやすいエンターテイメント作品でなかったという部分に好感が持てましたし、安易なハッピーエンドに持って行かないところも良いです。万人受けするタイプのお話ではありませんが、嵌る人には嵌りそうなアニメだと思います。
感想(ネタバレあり)
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最後はやっぱり銀ちゃんでしたね!!やっぱりメインヒロインは銀ちゃんだったのです!!いやはや!!
まず最初に確認しておかなければならないことは、主人公の黒はシスコンであるということです。なかなか真相や設定が語られないので事実確認が難しかったのですが(黒がシスコンであるという事実確認はすぐに取れた)、どうやら黒と、黒の妹の白(パイ)、それにもうひとり同じチームの仲間だった女の子・アンバーたちは、組織の一員として南米で戦っていたようでした。
そこで何かが起こり、南米は消失。正確には、物理的な干渉のできない領域になりました。そこではぐれた白を、黒はずっと探しています。
この辺りのことはあまり理解できていないのですが、白は結局どうなったのでしょう。アンバーは、「白は黒の中にいる」という表現をしていましたし、実際に黒は本当は契約者ではないのにも関わらず白の能力を使えていました。これは、白はもう死んでしまったけれども、能力としては黒の中で生きているという意味でしょうか。最後黒が、アンバー含め死んでしまった契約者たちとお別れをするシーンで、白ともお別れをすることからも、そういう意味で捉えられました。
みんなとお別れをした黒を現実の世界に引き戻したのが、我らが銀ちゃんです!
「黒!帰ってきて!私をひとりにしないで!!」
ですって。しませんとも。ひとりになんかしませんとも!!
妹の白も、アンバーも差し置いて、最後は銀ちゃんだったってことですね!わかります!
銀は「ドール」と呼ばれる存在で、感情も人格もないはずでした。それが次第に感情を持ったような振る舞いをするようになっていきます。DARKER THAN BLACKは、この「感情の芽生え」の部分もテーマになっていて、「感情を持たない」と言われる契約者(契約者は始めから人間的な感情を持っているように感じたけれども・・・)が、段々と感情を持っていく様子も描かれています。
アンバーも言っていましたが、「いつからだかはわからない。」そうです。ただ気がついたらそうだったと。ドールも契約者も、状況によっては感情が芽生えていくという希望が描かれていました。これは、ドールに恋をしてしまったヤクザ(下っ端)の桜井健児(さくらいけんじ)のエピソードに希望を持たせるものです。逃げ切ったとはいえ、これから組織に追いかけられ続けることになります。せめてふたりの気持ちがしっかりと繋がり続けますように。あのふたり、幸せになれるといいですね。応援しちゃいます。
話が脱線し続けてはいますが、主人公の黒が実は契約者ではなく、契約者と一般人の狭間で心が揺れ動くという、いかにもな設定が終盤になって突如現れました。日本の消滅を選ぶか、世界中の契約者の消滅を選ぶか。2つのものの間の存在であって、その狭間で心が揺れ動くといえば、「東京喰種トーキョーグール」がありました。東京グールのようなどうしようもないような展開になるんじゃないかとヤキモキしましたが、そこまで酷くはなりませんでした。やや不満はありますが。
「どちらも救う方法が、わりと簡単に思いつくことだった」というのが不満です。どちらを助けて、どちらを見殺しにするのか。あれ程悩んだのにも関わらず、あっさりとどちらも救ってしまうという残念エンドです。よくあるやつです。
それとは対称的に、アンバーの目的ははっきりとしていました。契約者たちの消滅を防ぎ、契約者たちの居場所を作る。その代償として、日本には消滅してもらう。アンバーのはっきりとした意思表示や行動指針には好感が持てました。日本消えちゃうけど。
銀ちゃんとアンバーのことばかり書いていますが、その他にも魅力的なキャラクターがたくさん登場しました。
いい味出したおっさんの黄(ホァン)や、警視庁の霧原未咲(きりはらみさき)、MI6(イギリスの秘密情報部)のノーベンバー11、黒が住むアパートの大家さん、これらレギュラーのキャラクターの他にも、ひとつひとつのエピソードでクローズアップされるキャラクターも素敵でした。ほろ苦いバッドエンドで終わってしまうキャラクターが多くてアレなのですが・・・。
「組織」とかいう謎の存在がほとんど解明されませんが、今後どうなるのでしょう。続けて第二期の「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」も見ようと思っているので、楽しみにしています。流れからして、組織から抜けた黒や銀が、組織と対決していくのだと勝手に想像しています。きっと銀ちゃんが活躍する!!そうに決まっています!!!
(アニメ「DARKER THAN BLACK -流星の双子-(第2期)」の感想はこちら)