ラマン

映画「L’amant ラマン」 廣木隆一




あらすじ(ネタバレなし)

17歳の誕生日を迎えた少女(JK)が、3人の男たち(おっさん)と1年間の愛人契約を結ぶ。その日から毎日その男たちの家へと通い、(以下エロ)。

感想(ネタバレなし)

エロかったです。裸がたくさん出てくるわけではないのですが、服を着たままパンツを下ろすシーンとか、制服は脱いでも靴下は脱がないとか、よくわかってるエロでした。
ただ言わせてもらうと、女子高生は無理だろと思いました。裸が出るのでもちろん本物の女子高生をキャスティングするわけにはいかないのですが、さすがにちょっと無理がありました。
主役のチカコ(男たちには華子と呼ばれていた)を演じた安藤希は当時22歳だったようで・・・。

当然のようにエロのことから書きましたが、この映画の見所はエロではありません。繊細な心情描写です。
心の微妙な変化の描き方は絶妙でした。
ただ、説明不足でよく分からない部分もありました。その説明不足な部分が、それぞれの心情の核になる部分だったりしたので、その辺りはすごく不満です。
「おいおい、それを説明しなきゃなんで泣いてるのか分からねぇじゃんか!」って感じです。しっかりしてください。

私の大好きな大杉漣が出ていました。なんだかよく分からない役どころでしたが、よく分からない謎の味を出していました。

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこの映画を見ていない方はご注意ください。


スポンサーリンク
















さて、エロの話をします。
冒頭からエロの話ばかり書いていますが、エロが見たくてこの映画を見たわけではないので、その辺りはよろしくお願いします。
多少自己弁護させていただけば、「エロを前面に出した映画」が好きなのではなく、「物語を語る上で必要だからエロを(本気で)出す映画」が好きなのです。
「エロ」の話をしている時に「出す」という表現はちょっとダメですね!(←暴走)

「出す」といえば、3人の男たち(おっさん)は全員無精子っていう設定だったんですが、まさかこれ偶然じゃないですよね?何か語られていないお話があるんですよね?
他にも語られていなお話たくさんありましたよね?
3人の男たち(おっさん)にもう一人仲間(おっさん)がいて、その人がチカコを選んだみたいなんですけど、その辺りのことがまったく謎でした。
その仲間(おっさん)のことは全然語られませんし、チカコを選んだ理由も謎でした。
チカコは、「華子」という人物に似ていたようで、その「華子」はその人(おっさん)の娘だそうで、その人(おっさん)は死んでしまったようで・・・・、それでなんで愛人って話になったのか。
「これが弔いだ。」ってなんじゃそれ。その人(おっさん)の娘と似た女の子とセックスすることが弔いなの?なんなの?アホなの?

まあでも、確かにアホでしたよね。
ラストは1年の契約が終わって、チカコが「ありがとう。さようなら。」って言う、ちょっと感動的なシーンがあるのに、3人の男たち(おっさん)は川に飛び込んでぬいぐるみを拾うっていうアホ全開を繰り広げるし。「犬が溺れてる。」と思って飛び込んだらぬいぐるみだったっていう設定だったんだと思うんです、たぶん。
で、ぬいぐるみだと分かったあとの3人の男たち(おっさん)のはしゃぎっぷりといったらもう。それを眺めるチカコ(JK)の笑顔といったらもう。
男はおっさんになっても、いつまでたっても子供ですから。このラストシーンはすごく共感できたし、全然成長しない男(おっさん)と、しっかりと成長した女の子(JK)の対比が印象的な、とても良いシーンだと思います。
チカコにやたらと近づいてくる柄谷涼子というクラスメイトがいたのですが、その弟・柄谷行人と3人の男たち(おっさん)の対峙するシーンを見た時は、やっぱりおっさんは大人だな思ったのですが。

チカコが映画館でレイプされたあと、行人は優しく助けたのだと思っていたのですが、あのあとセックスしてたんですね。ちょっと信じられない。
その時に子供ができたのですが、その対応に関しては、おっさんは大変良かったです。
まだ高校生で、でかい口をたたくだけで何もできない行人を黙らせたあのシーンです。まあエロシーンでしたが。
「下着を脱いで指を入れろ」のあのシーンです。ふむふむ。

弟の話をしてから姉の話になって、やや話が前後しますが、姉の方の柄谷涼子はヤバかったですね。
関わりあったらめんどくさい、メンヘラサブカル系JKでしたね。
涼子の「みんな生きてる実感とかってあるのかな?私には分からない。私はあんなふうに無邪気にはなれない。」みたいな発言の後の、チカコの「なんで忘れたフリなんかするの?そんなもの墓場まで持っていけばいい。その頃には腐っているだろうけど。」みたいな返しは爽快でした。うん、分かる。
チカコがこの1年で成長して、すごく大人になったっていうことを印象づける良いシーンでした。

散々話した挙句に、またエロの話に戻ってきますが、チカコの成長は紛れも無くセックスあってのことです。だから最初に書いたように、「物語を語る上で必要なエロ」だったわけです。願わくば、規制とか気にせずにもっと大胆に描いてほしかったところです。いろいろ制約があるので難しいところだとは思いますが。
いや、決してエロ映画が見たいわけではないのですよ。

全然関係ありませんが、大杉漣(男C)ってなんで刺されたんですか?突然刺されて帰ってきましたよね。
花火のシーンって、なんでみんな泣いてたんですか?
せめてヒントくらいは映画の中に入れておいてください。まったくまったく。

スポンサーリンク




ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛する一般人。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない濫読派。
カテゴリー: 映画 パーマリンク

映画「L’amant ラマン」 廣木隆一 への1件のフィードバック

  1. 検査員おじさん のコメント:

    弟くんはチカコがレイプされたことを誰にも言えなくて堕ろすこともできないのであの3人に嘘をついて手伝って貰おうとした
    っていうストーリーです。
    間違っても
    弟『お!姉貴の友達レイプされてパンツ脱がされてるから抱いたろ!』
    なんてストーリーではないので注意。

検査員おじさん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

この記事と同じカテゴリの最新記事