紅殻のパンドラ

アニメ「紅殻のパンドラ」




あらすじ(ネタバレなし)

科学技術が発展し、ロボットやアンドロイドが普及しつつある世界。ロボットの発達に伴って、義肢もロボット化する技術が確立されつつある世界。しかし、まだ自由自在にロボット義肢を扱うのは難しいという中で、脳以外の全てを機械化した「全身義体」である七転福音(ななころびねね)は、リゾート島・セナンクル・アイランドへとやって来る。島へ向かう船の上で出会った女性科学者のウザル・デリラと、アンドロイドのクラリオンと出会い、共に島へと上陸するのだが、そこではブエルと呼ばれる機械が暴走していた。

感想(ネタバレなし)

ウザルとクラリオンと福音の3人の、テンポの良いデコボコ漫才が非常に面白かったです。

最初の展開が速すぎて序盤のストーリーにはまったくついていけなかったのですが、3人の高速デコボコ漫才が楽しくて見ていました。天才科学者のウザルがすべてを見通した上で飄々と人を操り、福音はそれに踊らされながらも、独特な発想で無意識のうちにコロリコロリと状況を変えていき、そこにクラリオンがボソッと一言何か言うという流れが超高速で展開されます。さらに、なんだかよく分からないコスプレ集団がギャーギャーと乱入してきて、収拾のつかないようなカオスギャグへと発展していきます。第1話と第2話のこのカオスコメディーがすごく好きで、たくさん笑わせてもらいました。

なのですが、序盤でウザル氏がアッサリ退場。そのあとは語尾にやたらと「だや」をつけてくる崑崙八仙拓美(ころばせたくみ)というキャラクターが登場し、全体的にキーキーうるさい感じのギャグ路線へと変更されてしまいました。さらに、ストーリーも急にゆっくりになって、なんだか中だるみ感がハンパなかったです。ですが、その中だるみのお陰で世界観とか設定とかを飲み込めたというのはあります。

まだロボット義肢を自由に扱うことが難しいなかで、福音は全身義体でありながら自由自在に体を動かすことができる、世界でも数の少ない「適合者」でした。福音は全身義体のため、ソフトフェアのインストールができます。物語の中では、クラリオンの中に内蔵されている「パンドーラ・デバイス」というものからアプリケーションをダウンロードして、いろいろな技能やスキルをインストールしていました。ですが、なんだかインストールするデバイスがついている場所が危なくて、インストール時は絵的に非常にヤバかったです。

koukakudevice

中盤は、このパンドーラ・デバイスを使って1話に1つ事件を解決していく感じでした。大道芸人になったり、看護師になったり、コックになったり。終盤はやや盛り上がりましたが、ストーリーとしては普通のアクション系かなと思います。序盤と終盤のテンポの良いデコボコ漫才がやたらと面白かったというのが、私の中での感想です。

なぜかクラリオンが結構な頻度で適当な絵(デフォルメ?)になっているのは、結構好きでした。重要な場面でも適当な絵(デフォルメ?)になっちゃってたりして笑いました。しかもかわいい。白い。

clarion

また、EDの途中で、毎回クラリオンと福音が会話をする「ラジオステーション」みたいなのが挟まっていて、これが面白かったです。各話ごとに話す内容が違うのですが、基本的に福音が元気の良い天然ボケをかまし、クラリオンがボソッと冷静にツッコむタイプの漫才です。とても良いコンビネーションで、すごく好きでした。

ちなみに、紅殻のパンドラの中で私が一番好きなキャラクターは、ブリなんとかっていうリポーターです。毎回枕言葉の長い自己紹介をして、最後まで自己紹介をしきれないっていうショボいギャグが大好きでした。結局名前は「ブリ」なんだったんでしょか。「ブリジット」だと予測します。きっとブリジットです。今からググってきます。
・・・・ウィキペディアに行ったら、「ブリ○○・○ー○○○」って書いてありました(笑)
ブリジットではないようです。文字数的には「ブリブリ・ざ(ー)えもん」かと思います。

ブリなんとか

ストーリーとしてはイマイチでしたが、ギャグとしては面白かったです。特に序盤と終盤のスピーディーなギャグ展開は最高だったと思います。

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこのアニメを見ていない方はご注意ください。


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百合要素満載で「キマシタワー」っていうタイプのアニメだと思うのですが、私としてはギャグアニメとして推したいと思っています。
とはいえ、福音とクラリオン(以下クラリン)は良いキャラクター性を持っていたように思います。

福音はちょっとアホな子なんですが、真っ直ぐで真面目な良い子でした。「大金を手にしたら、何に使いたいか。」という問いに対して「世界平和」と答えちゃうようなアホな子です。ですが、その言葉の通り、世界平和を信じてひとつひとつ親切を重ねていく姿は非常に微笑ましかったです。
また、パンドーラ・デバイスを使うことに対して、「自分だけの力ではないからズルをしている。」と思っているようなウルトラ真面目ちゃんでした。パンドーラ・デバイスを使いこなすこと自体が実はもの凄いことだったするのに、本人はその自覚が全くありません。いわゆる天才肌です。アホ系天才肌です。

クラリンは猫耳です。猫耳メイドです!猫耳メイド戦闘アンドロイドです!男子の夢を目一杯詰め込んだようなキャラクターです。パンドーラ・デバイスを使用する際は、スカートをたくし上げます。うん、素晴らしい!
まあ、私にとってはそんなことはどうでもよいのですが(猫耳は大事!)、福音とクラリオンのデコボコ漫才は楽しかったです。ウザル氏も混ざっていれば最高なんだけれども。なぜ早々にウザル氏は引っ込んでしまったのか・・・。最終話で再び登場したときは嬉しかったものですが、3人のデコボコ漫才がずっと聞けたらもっと楽しかったのになと思います。残念です。

(ブリなんとちゃんを除けば)もう1匹大事なキャラクターがいました。というか、本当は物語の最重要キャラでしたね。
物語全体は、なんか凄い兵器(←適当)の「ブエル」を巡るお話でした。イアン・クルツという男がブエルを自分のものにしようとし、クラリンたちがそれを止めようとするお話です。
そのブエルの中枢制御装置が、自立して動くマスコットみたいなキャラとして登場しました。足が3本あるんですが、3本目の足が生えている場所が完全にアウトです。

ブエル

このブエルが美少女のことをよくわかっていて、大変共感できました。いつも偉そうな態度で話すのに、当然のようにセクハラ発言をくり返し、クラリンにお仕置きをくらっていました(羨ましい)。ウザル氏は早々に引っ込んでしまいましたが、このブエルがいたので救われました。福音とクラリンのデコボコに拍車をかけるデコボコで、たくさん笑わされました。特に最終話は本当に笑いました。

イアン・クルツがブエル中枢へのセキュリティーを突破しようと、1クール通して奮闘するのですが、なんと突破したのはブエルが集めたふともも画像のフォルダーでした!あんなに周りの人間を「無能だ無能だ」とバカにしてきたのに、一生懸命クラッキングした先がふともも画像だったとか、面白すぎます。
結果として、恥ずかしいフォルダを全世界に晒してしまったブエルは、人生を悲観して(?)暴走します。これ、凄くわかる!!覗かれたら社会的に死亡するフォルダなんて、みんな持ってるよね!!かわいそうなブエル・・・・。

こういうしょーもない感じのしょっぱいノリが面白かったと思います。

最後に真面目な話をすると、敵が完全に悪ではなかったというのは非常に良かったです。わかりやすい「悪」ではありませんでした。福音は親切を重ねて世界平和を目指しました。イアン・クルツは圧倒的な武力をもって世界平和を目指しました。どちらも目指した場所は一緒でした。理想を追うか、現実を追うかの違いでした。ストーリー全体としてはイマイチでしたが、この最後の部分は非常に良かったと思います。

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ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛する一般人。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない濫読派。
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