昭和元禄落語心中

アニメ「昭和元禄落語心中」




あらすじ(ネタバレなし)

刑務所帰りの強次(きょうじ)は、刑務所で聞いた有楽亭八雲の落語に感銘を受け、出所後に八雲のもとへ弟子入りをお願いしに行く。彼は与太郎という名を与えられ、八雲のもとで落語を勉強していくことになる。与太郎はそこで小夏という女性に出会う。小夏の父親・助六は生前は落語家で、八雲と何か因縁があるようだった。ある日、自分の失態によって破門を言い渡された与太郎が八雲に許しを請いに行くと、八雲は自身と助六の昔の話を語って聞かせた。

感想(ネタバレなし)

第一話からあっという間に落語の虜にされてしまいました。

第一話は60分の尺だったのですが、60分があっという間に終わってしまったと感じるような充実の内容でした。全編通して、八雲を演じていた石田彰も助六を演じた山寺宏一も、本当に素晴らしい落語を聞かせてくれていました。昭和元禄落語心中をきっかけにして、落語にハマる人もきっといると思います。石田彰と山寺宏一の演者としてのクオリティーの高さを改めて感じるアニメです。

私は小林ゆうが大好きです。1話から小林ゆうの声が聞けて非常に嬉しかったのですが、2話からは昔話になってしまってまったく小林ゆうが登場しません。これには大変ガッカリしました。もっと小林ゆうが聞きたかったです。

代わりに、林原めぐみが活躍していました。私は林原めぐみの演技はエヴァンゲリヲンの綾波レイでしか聞いたことがなく、お名前は有名でよく聞いていたのですが、演技の方はよく知りませんでした。何というか、さすがとしか言いようのない演技でした。オープニング曲の「薄ら氷心中」のボーカルも良かったです。歌がうまいとかではなくて、ボーカリストとしての個性が素晴らしかったです。林原めぐみ以外では真似できない、個性的なボーカルが曲にピッタリハマっていました。

ストーリーは、落語の世界で生きていくことになった菊比古(後の八雲)と、落語が大好きで落語にのめり込む初太郎(後の助六)の関係を中心に描かれていきます。自由奔放に生き、落語にもそれが反映され、楽しみながら落語をやっている初太郎と、真面目で几帳面な性格で、生きていくために仕方なく落語を始めた菊比古とのデコボコな関係を中心に描かれていきます。
しょっちゅう言い争いをしていながらも、お互いの落語を認め、だからこそ羨み、複雑な感情を交えながらふたりは落語の世界で生きていきます。

なんせ演者が素晴らしいので、それぞれのキャラクターの心情が細かく伝わってきます。「落語」そのものも面白いですし、キャラクターの心情描写も繊細で面白かったです。基本的にスペクタルな展開はないので地味に映りがちでしたが、クオリティーの高い、良いアニメでした。

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこのアニメを見ていない方はご注意ください。


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最後はとんでもないところで終わってしまいましたね!
全編通してほぼ昔語りだったのに、最終話で現代に戻ってきて、「これから始まるよ!」っていうところで終わってしまいました。第二期の制作が決定しているようなので、続きを楽しみに待ちたいと思います。
与太郎は真打ちに昇格するし、小夏は子供ができたうえに父親を言いたがらないし、これからの山あり谷ありを予感させる終わり方でした。

過去から続いていた八雲と助六の因縁も続きそうで、非常に楽しみです。小林ゆうも活躍しそうですね!

真面目な話をすると、菊比古と助六の約束がどのようになっていくのかが楽しみです。
落語界が衰退していく中、助六は伝統に縛られない新しいものをやりたがっていました。しかし、伝統に縛られた落語の大切さも知っていた助六は、自分が客に合わせた柔軟な落語を、菊比古は伝統を引き継いだ落語を続けていこうと約束をしました。

不幸にも助六は死んでしまい、その約束は果たされません。落語界の衰退は進み、ほとんどの寄席は潰れてしまいました。しかし最後の最後に与太郎が「助六を名乗りたい」と言い出します。
小夏は「子供だけは欲しかった。助六の血を絶やしたくなかった。」と言い、与太郎は「助六を名乗りたい。」と言い、八雲(元・菊比古)は驚愕します。

菊比古の師匠の代では、八雲と助六は因縁でした。菊比古の代でも八雲と助六には因縁がありましたが、当の本人同士がお互いを認め合い、信頼しあっていました。菊比古の代で、良いライバルとして落語界を盛り上げていくはずだったふたりは、しかし助六の死という不幸によって、事を成し遂げられません。
そこに降って湧いたような与太郎と小夏の決心です。これは続きが楽しみで楽しみで仕方なくなるのも当然のこと!いや、本当に早く見たい。ストーリーを忘れてしまう前にお願いしたいです!

菊比古と助六の話ばかり書いていますが、みよ吉も凄く好きなキャラクターです。
みよ吉は菊比古のことが好きだったのですが、菊比古とはうまくいきませんでした。菊比古もみよ吉のことが好きでしたが、結果として落語を選ぶ形になりました。
自暴自棄のみよ吉は助六と共に逃亡、田舎で暮らすことになりました。

やっと助六の居場所をつかんだ菊比古は、助六のもとを訪れますが、仕事もしない金もない助六に愛想を尽かしてみよ吉は家出中でした。なんとかかんとか東京へ戻るためのお金を作るために、菊比古と助六は働くようになります。そしてちょっとした流れから、ふたりは落語をすることとなりました。
落語をしたその夜、みよ吉は菊比古を部屋へと招きます。菊比古もみよ吉も元々お互いのことを愛していたので、感情は昂りました。そこに助六が飛び込んできて、みよ吉に謝ります。

「もう落語はやめる。真面目に働く。今日の最高の落語ができたのはおまえのお陰だ。これで満足だ。」

みよ吉は「今さらなんで」と困惑します。うろたえるみよ吉は窓の外のベランダに体重をかけ、その瞬間に弱くなっていたベランダは落ちてしまいます。なんとかみよ吉を抱きとめた助六と、助六の手をかろうじて掴んだ菊比古。しかし、菊比古ひとりの力ではふたりの体重は支えきれません。菊比古まで落ちて死んでしまうと思った助六は、自ら菊比古の手を剥がし、みよ吉と共に落ちてしまいます。

助六に抱きしめられて落ちていくみよ吉は何を思ったでしょうか。散々好き勝手やってきた助六が自分のために真っ当になると誓ってくれました。でも、ずっと愛していた菊比古がすぐ目の前にいました。
「死」を前にして、みよ吉が最後の最後に何を思ったのか。「喜び」でも「幸せ」でも「悲しみ」でも「恐怖」でもなかったと思います。「怒り」に近かったでしょうか。でも優しい「怒り」だったように感じます。

みよ吉の難しい感情を、林原めぐみは本当に繊細に表現していたと思います。みよ吉と助六が死んでしまう一連のシーンでの演技は本当に素晴らしかったです。石田彰、山寺宏一、林原めぐみと、名前を並べただけで凄いメンバーなのですが、その演技はやっぱり異次元の凄さでした。

与太郎を演じた関智一の落語も凄く良かったので、第二期で活躍しそうな関智一にも期待しています。第二期はスペクタルなストーリーもありそうな感じなので、より一層に楽しみです。早めの放送をお願いします。本当に!

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ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛するフリーライター。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない乱読派。
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