fury

映画「フューリー」 デヴィッド・エアー

あらすじ(ネタバレなし)

第二次世界大戦時、連合国がナチス・ドイツに攻勢をしかけている時代。戦車の車長を務めるドンは、戦闘で副操縦士を失う。その後任として配属されたのは、戦車の中を見たこともない素人のノーマンだった。ノーマンは戦闘に参加したこともなく、戦争に対しても戦闘に対しても嫌悪感を示す。戦争の真実を目の当たりにし、現実との折り合いをつけながら、戦闘を通して仲間との絆を深めていくのだが・・・。

感想(ネタバレなし)

M4A3シャーマン(戦車)ですよ!!ティーガー(戦車)ですよ!!

戦車を使ったド迫力の戦闘シーンがあります。かなり大掛かりな戦闘シーンが多く、戦車好きにはたまらないシーンも多いでしょう。戦争を描いた映画になりますので、戦闘シーンではたくさん人が死にます。苦手な方は注意してください。

戦闘シーンは派手で見応えがあるのですが、ストーリーとしては中途半端です。人を殺すことに強い抵抗があったノーマンが、戦争を通してどのような苦悩を見せていくのかと思ったのですが、そういったシーンはほとんど見られません。死線をくぐって生き抜いた男たちの信頼と絆についても少し描かれますが、こちらも中途半端です。

戦車を使ったアクションシーンがあり、ついでだからいろいろ取り付けておこうかという程度のテーマが盛り込まれている感じです。いかにもなハリウッド映画です。

敵軍(ドイツ軍)についてもほとんど語られません。「ドイツ軍は女子供まで兵士にするクズ」というような描写があり、だからどれだけ殺しても「正義」というような位置づけで、いかにもなアメリカの「俺たちが正義」「俺たち強ぇ!」っていうタイプの映画です。

つまり、完全に私の嫌いなタイプな映画だったわけです。しかし、戦闘シーンは本当に凄かったです。派手でした。プライベート・ライアンのオマハ・ビーチのシーンには遠く及びませんが(戦闘の規模が違いすぎる)、戦車の魅力はしっかりと表現されていました。私はレンタルで見たのですが、これを映画館で見たらすごい迫力だっただろうなと思います。大画面大音響ならば、相当楽しめたんじゃないかと思います。

「楽しめる」などと書いてはいますが、戦闘シーンは結構エグいので、そういうのが苦手な方は「ガールズ&パンツァー」でも見ててください。徹甲弾が当たっても死なないというのは平和で良いです。ガルパンはいいぞ!

感想(ネタバレあり)

ここから先は、物語の核心に触れる記述があります。まだこの映画を見ていない方はご注意ください。


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「人を殺したことがない。」と言うノーマンに、ドンは捕らえたドイツ兵を「殺せ。」と命じます。ドンはノーマンに執拗に迫り、「こいつを殺すか、お前が殺されるかだ!」と言いながらノーマンに銃を握らせようとします。ノーマンは「僕を殺してくれ!」と言います。「人を殺すくらいならば自分が殺された方が良い」という、道徳心から来る葛藤というすごく真面目なテーマが描かれているのですが、ノーマンが「Kill me, please! Kill me!」と言うのを聞いて、アニメ「キルミーベイベー」を思い出して笑ってしまいました。

真面目なシーンだったのに不謹慎で申し訳ない。もう頭の中はキルミーベイベーのオープニング曲でいっぱいです。全く映画に集中できませんでした!!

この「道徳心の葛藤」というテーマなのですが、もう少し真面目に描いてほしかったように感じます。ノーマンの道徳心はあっという間に崩壊してしまい、葛藤も何もありませんでした。「それが戦争の現実だよ。」と言われてしまえば、戦争を経験していない私には一言も反論できないのですが、映画が真ん中を過ぎた辺りで「くたばれナチ!」といいながら、Fで始まるあの言葉を平気で使うノーマンには違和感を感じました。
本当にこれがちょっと前まで「Kill me!」と言っていた男なのか・・・。ダメだ、「kill me」っていうセリフを思い出すと笑ってしまう。

男同士の絆に関しても微妙でした。占領した街で、同じ戦車に乗る仲間が「北アフリカ戦役で大きな戦闘があり、何マイルにもわたって残骸や死体が散乱していた」という話を始めます。そこで苦しんでいた馬を、1頭1頭殺していったのだという話です。死線をくぐってきた絆を、このような婉曲表現で描いてくるとは意外でした。全員がギリギリのところで、同じ想いをですので、男同士の絆というテーマに関してはここまでのところすごく好感が持てていました。

ですが、ずっとノーマンを目の敵にしていた仲間・グレイディが突然「ノーマン、悪かった。お前は良い奴だ。」などどヌカしやがります。まず思ったのは、「なんというあからさまな死亡フラグ!!」です。そして、「どうして急に認めたの????」です。
確かに直前のティーガー(ドイツ戦車)との戦闘で、共にピンチを切り抜けた仲間となったわけではありますが、それにしてもあまりに突然のセリフで頭がついていけませんでした。「何言ってるのコイツ?」です。
「絆」をテーマに盛り込むのなら、もうちょっと丁寧に描くべきだと思います!おこです!

もうひとつ書かせてください。最後は無理ですよね、あれ!
一人生き残ったノーマンは、戦車の床にある脱出ハッチから抜け出し、戦車の下に身を隠します。あれだけたくさんのドイツ兵に囲まれて、見つからないわけがないじゃないですか!!なんなんですか!!ドイツ兵の目は節穴なのですか???
ひとりのドイツ兵に見つかってしまうのですが、なんとそのドイツ兵、ノーマンを見逃します。なぜ!なんでなの!
散々ドイツ兵を極悪非道と描いてきたから、最後くらいは「良い奴もいるよ!」というアピールをしたかったのでしょうか。

ストーリーに関してはこのように物申したいことが山ほどあるのですが、戦闘シーンの良さとプラスマイナスして、「まあ面白かった」という感じです。私は断然ストーリー重視派なので、ストーリーをこれだけ貶しておきながら「まあ面白かった」と思ったということは、それだけ戦闘シーンが良かったということです。

バババババ!!ヒューン!ドカーン!!!ガーガーガー!!!ピカピカ!!!
っていう感じです(説明が雑)。ガルパンのようなぶっ飛んだ戦術や、スピード感溢れる走行シーンなんかはありませんが、実写ですので迫力は凄いです。爆発とか、曳光弾を使った光の演出なんかも派手でかっこ良かったです。
でもやっぱり、大きい音で見たかったですね。きっと迫力満点でしょう!

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ぺんぎん

ぺんぎん の紹介

物語をこよなく愛するフリーライター。 物語ならば、映画、小説、アニメ、ゲーム、マンガなどなど、形態は問いません。ジャンルや作者に縛られない乱読派。
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